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【記者コラム】ワールドシリーズで感じたラインの大切さ

 青森の競輪ワールドシリーズを取材した。男子はリチャードソン、トゥルーマン(ともに英国)、女子はアンドルーズ(ニュージーランド)、ファンデルワウ(オランダ)の世界トップ外国人選手が参戦。98年に取材した国際競輪(ワールドシリーズの前身)との、一番の違いは外国人選手の少なさ。当時はガールズケイリンがなかったため男子のみだったが、1開催に5、6人は参加していた。当時もシェーン・ケリー(オーストラリア)やフロリアン・ルソー(フランス)といった世界のトップクラスが来日していた。

 今回女子は2人の外国人選手が無傷で勝ち上がり、決勝は1着アンドルーズ、2着ファンデルワウで順当に決まった。だが、男子は2人とも決勝に勝ち上がれなかったばかりか、1勝も挙げられずに終わった。この差は女子と男子のルールの違いが大きい。女子は国際ルールに則って行われているのに対し、男子は日本の競輪ルールで開催されるため、ライン戦や〝ヨコ〟の動きといった自転車競技とは違った競技になる。

世界のトップ選手でも包囲網を敷かれたら…

 98年は同じレースに外国人選手が複数人出場。外国人同士でラインを組んで圧倒的強さを見せつけていた。A―B―Cで並び、Aが逃げてBが番手捲りを打ってCが最後に差す、といったレースがよくあった。くしくも今回のS級決勝は中野慎詞―新山響平―菅田壱道で並んだ北日本勢がこの形でレースを進め、菅田が優勝した。リチャードソンとトゥルーマンは、予選ではそれぞれ別のレースに組まれ、ともに決勝に進出しないと連係できないようになっていた。

 今回のワールドシリーズで改めてラインの大切さが分かった。世界のトップ選手でも、日本のルールで百戦錬磨の競輪選手たちに包囲網を敷かれたら、易々とは勝てないということ。今後のワールドシリーズは予想の仕方を変えないといけないと思った。

 ◇鈴木 智憲(すずき・とものり)1967年9月生まれ、愛知県出身の58歳。92年スポニチ入社。97年から2年間競輪記者を経験。当時は神山雄一郎、吉岡稔真が東西の横綱として君臨していた。24年4月に26年ぶりに現場復帰。

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